症状がぶり返す2つの原因【整体理論】

こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。

前々回は、「歪みの本質」や「体を治すことはどういうことなのか」などについて解説しました。

前回は、「解剖学的問題による歪み」や「個別調整」などについて解説しました。

全体の歪みを調節して、症状を引き起こしている個別の問題もキレイに調整してあげると、症状は劇的に改善することが多いです。

長年慢性的な症状に苦しんでいた患者さんからは「今までと全然違います」と言われたりします。

ただし、ここまでやってもまだ状態が安定しないこともあります。

「3日間は調子が良かったけど、その後はまた痛くなってきた」と症状がぶり返してしまうパターンです。

今日は「症状をぶり返してしまう2つの原因」を解説してみたいと思います。

  • 症状をぶり返す原因を知りたい…
  • ずっと治らない患者さんをなんとか治したい…
  • 患者さんにうまく説明できるようになりたい…

という方には何かしら参考になるかもしれません。

症状がぶり返す原因【1】原因箇所が治せていない

症状がぶり返す原因は、大きく2つに分けられます。

一つは、原因箇所が治せてない場合で、

もう一つは、患者さんを取り巻く環境が悪い場合です。

原因箇所が治せていないというのは、

症状付近にまだ可動域制限がある関節が残っている(歪みがある)

≒関節周辺の筋肉が緊張している(循環問題が起きている)

という意味です。

この状態では、ATP生産力が下がったままなので自然治癒力が十分に働けず、症状は治っていきません。

逆に、症状付近の可動域制限がある関節が正常になっていれば施術後に症状が取れてなくても、予後は良くなっていく予想が立てられます。

「今はまだ痛くても、循環してくると更に良くなってくると思うので様子をみてください。」

と自信を持って患者さんに伝えることができます。

つまり、施術後に必ずチェックすべきことは「症状付近のROM制限がある関節が正常に動いているかどうか」です。

これを押さえておけば、基本的に同じような症状がぶり返すことはありません。

症状がぶり返す原因【2】患者さんを取り巻く環境が悪い

同じような症状が出ないようになっても、

「前は腰が痛かったけど、今日は膝が痛くなった」など、症状が出方を変えて出てくる場合があったり

「前よりは痛くなくなったけど、起床時にまだ腰痛がある」など、程度は減ったけどある条件下で症状が残ってしまう場合があります。

施術がうまくいっていたとすると、それらの主な原因は

「患者さんを取り巻く環境が悪い」ということです。

補正システムによって生じる歪みを調整し、解剖学的問題による歪み(組織の変性)を調整し、症状付近のROM制限が解除されていたとしても、

環境による体への負荷が大きすぎると、体は対応できなくなり、脳血流や全体の循環力が低下します。

お風呂に水を溜めているシーンを想像してみてください。

栓をしたまま水をため続けると水は浴槽から溢れてしまいます。

蛇口を全開に開いて水が出ていたとしても、栓を抜くと浴槽の水位はどんどん下がり、最終的に水は全て抜けます。

しかし、もし仮に浴槽に水を入れる蛇口が3個、5個、10個と増えたらどうでしょう。

単純に溜まる水の量が10倍になったとしたら、栓を開いていたとしても溢れてしまうかもしれません。

これは体についても似たようなことが言えます。

浴槽から水が溢れるということは、症状をぶり返すということです。

蛇口から出る水は、環境による体への負荷のことを指します。

私たちの体には知らず知らずのうちに様々な負荷がかかっています。

最も代表的な負荷が「重力」で、この重力に対応するために

「重力反射システム」が働きます。

重力以外にも以下のような負荷があります。

  • 気温、気圧、湿度などによる自律神経への負荷
  • ストレスによる自律神経への負荷
  • 酒、添加物、食べ過ぎなどによる内臓への負荷
  • 薬の服用による内臓への負荷
  • 立ち仕事やデスクワークなど働く環境による筋肉への負荷
  • 合わない寝具で寝ている時の体への負荷
  • ウイルスなどによる免疫システムへの負荷
  • スマートフォンなどの電磁波による負荷

これらの体への負荷に対応するために、脳反射システムや重力反射システムなどの補正システムが働くわけですが、

補正システムのキャパシティー(容量)をオーバーすると体が対応できなくなり

浴槽から水が溢れるように何かしらの症状を発症します。

これらの体への負荷を0にすることはできませんが、

できるだけ減らしていくことで症状がぶり返しにくい環境を作れます。

一例を紹介します

50代女性、主訴「慢性腰痛」の方を以前施術していました。

その方は、3回目の施術で、腰周辺のROM制限は全て解除されて

「今までは座っていると常に痛かったけど痛くなくなった」と喜ばれていました。

ただ「起床時にまだ腰が痛い」と仰っていました。

「起きた時に腰が痛いということは、寝てる状態で腰に負荷がかかりやすいような環境になっているということなので、もしかするとマットレスとかが合ってない可能性があります」とお伝えすると

「確かにそうかもしれません」と患者さんも同調されたので、店舗で取り扱っているキュアレのマットレスを体験してもらいました。

すると「すごく良い!」ということで購入してもらいました。

1週間後、来院された時に朝どうなったか聞いてみると、「朝起きた時に腰が痛くなくなりました。」と仰っていました。

実際、腰痛に限った話ではなく、「起床時に症状が強く出る」という人は枕やマットレスを変えてもらうと、症状が治っていくケースは多いです。

生活習慣をヒアリングし、毎回患者さんの状態を観察することで、「何が一番大きな負荷になっているか」を予測して

体への負荷をできるだけ減らしていけるように患者さんに提案することが重要です。

それができれば、症状をぶり返さなくなり、本当の意味で根本から改善することができると思います。

まとめ

今日は、症状をぶり返してしまう2つの原因を解説しました。

施術で何とかならない問題を、施術で何とかしようとしても何ともなりません。

施術者の仕事は、施術を行うことではありません。

施術者の仕事は、患者さんを健康に導くことです。

施術を通して患者さんの生活にも目を向けていくと何かしら糸口が見つかるかもしれません

次回は「体に負荷をかける環境を変える方法」を具体例を紹介しながらお伝えします。

お楽しみに!

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疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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