こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
今回は熊谷先生の最新研究で「胸骨と仙骨の役割」が明らかになってきたので
そのことについて簡単に解説したいと思います。
「骨盤には全体のバランスをとる補正機能がある」
このことは多くの人が聞いたことがある話だと思います。
よくある「骨盤矯正」「骨盤調整」などのテクニックは
骨盤を調整することで全体のバランスをとるといったような理論です。
骨盤が本来の動きを取り戻せば、全体のバランスを取りやすくなり、補正機能によって症状が緩和する方向にいきます。
「症状を治すのは患者さんの体自身」ですので、体が持つ本来の機能を取り戻すことによって
自分の力で治っていける環境設定してあげているということです。
実際、私も施術を行う時は仙腸関節の動きは必ずチェックするようにしています。
施術後に仙腸関節の動きが良くなっていれば、骨盤の補正機能が回復したということなので、
生活の中で体に負荷がかかってもある程度はカバーできます。
それによって、”施術の効果の持ち”が良くなるので
次回の施術まである程度体の状態をキープできていることが多いです。
逆に、施術後に仙腸関節の動きが悪ければ、体の耐久性が低いので、症状をぶり返しやすかったりします。
このように骨盤は全体のバランスをとる補正機能を持っています。
知られざる「胸骨」の働き
ここまでは、割と知られている話ですが、
熊谷先生の最新研究によって、実は骨盤は胸骨とセットになって全体を補正していることが分かってきました。
胸骨にも骨盤と同じように全体を補正する役割があるということです。
胸骨は、胸骨柄、胸骨体、剣状突起の3つの部位から構成されていますが、
この中で全体のバランスをとる上で重要になってくるのが胸骨柄です。
胸骨柄は八角形でホームベースのような形をしており
胸骨体と別の動きができるようになっていて、あらゆる方向に回転できるような構造をしています。
体を動かした時に筋膜などの繋がりの影響で、胸骨もあらゆる方向から引っ張られますが
その時に胸骨柄が回転し力を分散させていると考えられます。
体はねじれの力に弱い
ダンボールというのは紙でできているので組織自体は強くありませんが、
箱型に組み立てることで非常に強い強度が生まれます。
重たい荷物を入れたダンボールを積み上げてもなかなか潰れません。
縦の力に対しても横の力に対してもある程度耐えられるようになっています。
しかし、そのダンボールも強度が落ちる時があります。
それは「ねじれの力」が働いた時です。
ダンボール自体をねじってみると、そんなに強い力を加えなくても簡単に潰せます。
ダンボールはねじれの力に弱いのです。
実は人間の体もダンボールと同じで「ねじれの力」に弱く、ねじれの力が加わった時に骨格は崩れやすくなっています。
人体を動かしているのは紛れもなく筋肉の働きで640個の筋肉がそれぞれ縮み
206個の骨を動かすことで、人体は動いています。
人体は複雑な動きができますが、筋肉単体で見るとそれぞれは一方向にしか動いていません。
筋肉単体では一方向に「縮む」「緩む」を繰り返しているだけなのです。
それらが連動して動くことで複雑な動きを可能にしています。
まさに「回転」の動きがそうで、
それぞれ違うベクトルをもった筋肉が、同時に収縮することで回転という複雑な動きが生まれています。
しかし、この回転という動きが骨格に負荷をかけます。
筋肉もダンボールと同じで、ねじれの力が加わった時にダメージを負いやすくなります。
筋肉の起始と停止が同じ位置で収縮と弛緩を繰り返しているのであれば
非常に強い力が加わらない限り筋肉だダメージを追うことはありません。
しかし、起始と停止の位置がズレて
筋肉がねじれた状態になっている時に収縮と弛緩を繰り返していれば、
筋繊維が擦れてダメージを負ってしまいます。
回転の動きというのは、起始と停止の位置がズレて、筋肉が捻れた状態になって筋肉を使うことになるので
筋肉がダメージを負いやすくなります。
胸骨と仙骨の補正機能
人体は筋膜などで繋がっているので回転の動きをする時は
ねじれの力は必ず全体に伝わっていきます。
手首をひねっただけで、足先までねじれの力が加わるということです。
ねじれの力が加わった状態で筋肉を使っていると
筋肉はダメージを負いやすくなりますが、
それを補正してくれるのが「胸骨」と「仙骨」の働きです。
胸骨と仙骨がセットで逆方向に回転することで、ねじれの力を緩和させています。
回転運動をした時に全体に伝わっていくねじれの力が、胸骨と仙骨によって吸収されているということです。
ダイヤルテクニック
構造自体を補正してくれる胸骨と仙骨の機能も
周りから引っ張られる力が強くなるとその分、制限を受けるようになります。
筋肉がダメージを追うと、そこが硬くなって周りの組織を引っ張る力が強くなり、
胸骨や仙骨も引っ張られてしまいます。
そういった箇所は実は全身に点在しています。
筋肉がダメージを追っている箇所が多ければ多いほど、胸骨と仙骨の全身を補正する機能は制限され、
全身の筋肉はダメージを負いやすくなります。
筋肉が使いづらくなったり、疲れやすくなったり、ケガをしやすくなるということです。
高齢者になると疲れやすくなたりケガをしやすくなるのは
この胸骨と仙骨の機能が制限されているからとも言えます。
この制限されている胸骨と仙骨の機能を開放してあげるのが
新しく生まれた「ダイヤルテクニック」です。
ダイヤルテクニックは胸骨と仙骨の補正機能を回復し、体の耐久性を取り戻すことができるテクニックです。
実際ダイヤルテクニックで調整すると、肩周りや骨盤周りの動きが良くなるだけでなく、
手首や足首、頭蓋なども動きも良くなります。
このテクニックを受けた患者さんも、肩の動きが劇的に良くなったことや
背筋が伸びて姿勢が変わったことに驚いていました。
ダイヤルテクニックのやり方は疲労回復整体アカデミーの中で
全て公開していますので興味のある方は学んでみてください。
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