疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
今日は「天気とギックリ腰の因果関係」について解説してみたいと思います。
- ギックリ腰や寝違えがどのようにして起こるのか知りたい
- なぜ砂糖がダメだのか知りたい
- 施術プランをどのように立てたらいいか知りたい
という方には参考になるかもしれません。
「春に三日の晴れ間なし」
このことわざの意味を知っていますか?
本州が移動性高気圧に覆われると晴れますが、春は日本列島の上空を流れている偏西風が強いため
高気圧や低気圧の移動速度が速く、高気圧に何日も覆われることはあまりありません。
このため、春の晴天は3日と続かず、天気変化が早いのが特徴で
「春に3日の晴れなし」と言われいるそうです。
最近はまさにこのような天気が続いていますね。
短い周期で天気が変わり、日々の寒暖差も大きいです。
このような時は「ギックリ腰」など急性の症状を発症しやすくなります。
人体は急激な変化に弱い
人体には環境適応能力が備わっているため、ゆっくりとした変化には対応できるようになっています。
例えば、エベレスト山頂の酸素濃度は平地の3分に1程度ですが、年間400名以上の登山家が登頂しているそうです。
エベレストを登る登山家は必ず高度順応を行っています。
「高度順応」とは平地環境に慣れている身体を、酸素の少ない高地環境に慣らしていくことを指します。
高山病の発症率を下げるために必要不可欠なものです。
体は低酸素環境になると、心拍数や肺に出入りする空気の量が増加したり、
酸素を全身に運ぶヘモグロビンの増加などが起きます。
心拍数の増加は即起こりますが、肺に出入りする空気の量の増加は1週間程度、
ヘモグロビンの増加には2~3週間かかるそうです。
医学的には、高所に行くと「10日で80%、6週間で95%の順応」がなされるということです。
時間をかければ体がそれに順応してくるということですね。
逆に言えば、人の体は急激な変化に弱いです。
仮に、あなたが全く寒さの感じない近未来の防寒具を着て、ドラえもんのどこでもドアを使ってエベレスト山頂に降り立てたとします。
高度順応してないあなたは1分で気を失い、5分で命を失ないます。
砂糖は急激に血糖値を上昇させる
「砂糖が体に悪い理由」も同じです。
砂糖は分解されるとグルコース(ブドウ糖)になって血中を漂い、全身の各細胞に運ばれATPを作るための栄養素として使われます。
一定量のブドウ糖は体にとって必要なのですが、過剰なブドウ糖摂取は体にストレスをかけます。
砂糖は単糖類ですが、その名の通り単純な構造をしています。
栄養素の中でも最も早く分解され、血糖値(血中のブドウ糖濃度)を急上昇させやすいのが砂糖の特徴です。
血液中に存在するブドウ糖の量が増えて血糖値が上がると、膵臓からインスリンが放出され
血中のブドウ糖は中性脂肪に変換されて脂肪細胞の中に蓄えられます。
それが肥満の原因になります。
それがずっと続くと、膵臓に過剰な負担がかかり、インスリンの分泌量が減って血糖値が高い状態が続くのが糖尿病です。
砂糖の過剰摂取は間違いなく糖尿病になるリスクを上げます。
このように人体は急激な変化に弱いです。
寒暖差は自律神経に負荷をかける
自律神経系は血圧や呼吸数など、体内の特定のプロセスを調節している神経系で
自分で意識しなくても自動的(自律的)に機能しています。
寒暖差などで外部環境が急激に変化すると、
自律神経はそれに対応するためにいつも以上に忙しくなり、大きな負荷がかかります。
そして、多くのエネルギーも消費します。
自律神経が乱れたり体が疲れている時というのは、全身の筋肉が緊張しやすく、体が硬くなります。
そのため、腰にも負担がかかりやすくなっています。
そのような状況下で、クシャミをしたり重い荷物を持ったりして
腰に急激な負荷がかかるとギックリ腰になってしまうということです。
寒暖差が大きい時にギックリ腰や急性の寝違えなどが多いのは、そのためです。
ですから、天気予報をチェックしておいた方が良く、患者さんの体を見る時に参考になります。
体調の問題と体質の問題
神経系は変化が早いので、負荷がかかればすぐに問題が起きます(体調の問題)。
一方で、腎臓や肝臓に長期的に負荷がかかっていると、体質が悪くなります(体質の問題)。
体調の問題であれば負荷が抜ければ回復も早いですが、体質の問題は回復するのに時間がかかります。
このように疲労回復整体では「体調の問題」と「体質の問題」で分けて考えるようにしています。
そうすることで症状の背景を細かく分析しやすくなり、中長期的な施術プランも立てやすくなります。
是非参考にしてみてください。
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