施術後、痛みが増す施術法

こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。

今日のテーマはタイトルの通り「施術後、痛みが増す施術法」です。

「え!!それっていいの!?」と思われた方も多いと思いますが

もちろん「ダメ」です。

ただ、意外と多くの施術家の方が無意識でやってしまっていたります。

実際にあなたも、以下のような経験はあるのではないでしょうか

<パターンA>
施術後に、「どうですか?」と患者さんに聞くと
患者さん:「さっきよりも痛くなりました・・・」
施術者:「え・・・」

<パターンB>
施術後に、起き上がってもらうと
患者さん:「なんかフラフラしてきました・・・」
施術者:「え・・・」

私も以前、パターンAは1回、パターンBは1回経験したことがあります。

パターンAの時は施術後すぐに痛みが出たわけではなかったですが、帰った後に急に頭が痛くなったということでその日の夜に電話がありました。

電話で「循環が良くなったことで稀にそのようなことがある」と弁明しましたが、時すでに遅し。

次の日の予約はキャンセルになり、その患者さんはそれから一度も来院されていません。

施術中に「稀にそういったことがあるので注意してください」と伝えておけばよかった、、、と後悔したのを今でも覚えています。

その時の患者さんは初診で20代女性、主訴は「頭痛とだるさ」、施術も大して体に負担をかけるようなことはしていないつもりでした。

しかし、今考えると、「施術後の状態をもっとちゃんとチェックできていれば良かった」と思います。

今は「施術後の状態」をチェックできるようになり、「予後」をある程度予想できるようになったので、上記のような失敗は起こらなくなりました。

今回は、私の経験を踏まえて、「なぜ、施術後に痛みが増すのか」という原因を解き明かし、「そういったミスが起こらないための施術後のチェック方法」について解説したいと思います。

施術後に痛みが増す原因

まず、「なぜ施術後に悪くなるのか?」についてです。

それは、ズバリ「刺激の入れすぎ」です。

よくダイエットの公式で「接種カロリー<消費カロリー」というものがあります。

運動すれば痩せる、食べなきゃ痩せるとかいう感覚的なものではなく、接種カロリーが消費カロリーを下回れば痩せるという科学的な話です。

施術においてもこれと同じようなことが言えます。

「施術の刺激量<患者さんのその日使える体力」となっていれば、施術後に悪くなることは起きることは起きません。

「施術の刺激量」や「患者さんのその日使える体力」はカロリーのように細かく計算できるものではありませんが、考え方として「刺激は体力を奪う」ということは留意する必要があります。

「骨盤が右に傾いているから左に調整する」といった調整がありますが、「物理的に骨盤を左に動かしたから骨盤が左に調整される」という単純なものではありません。

骨盤を左に動かすという刺激が入ったことで、その刺激に大して脳が「左に動いた方が良さそう」と判断し、「骨盤を左に動かしてバランスを取れ」と司令を出して体全体が反応した結果、骨盤が左に調整されます。

簡単に言うと、体が刺激に適応した結果、変化が起こるということです。

ここで重要なことは「体が刺激に適応する時にエネルギー(ATP)を使う」ということです。

すなわち、刺激は体力を奪うということです。

患者さん「まだここが気になる」→施術
施術者「どうですか?」
患者さん「まだ気になる」→施術
施術者「どうですか?」
 ・
 ・
 ・
と繰り返すうちに体力は底を付いてしまいます。

すると、施術後に痛みが増してしまったり、倦怠感が強く出たり、酷い好転反応と言われるようなものが後から出てきてしまいます。

そうならないようにするためには、「今体力はどのくらいあるか?」を見極めなければいけません。

では、どうしたら良いのでしょうか?

失敗しないために

患者さんの今の体力を把握するのに有効な検査が「体調検査」です。

体調検査は全体の筋肉の緊張度を見る検査で、その時の状態をざっくりと把握することができます。

体調検査をしっかり行えば、「どこで施術を終えるべきか」が明確に分かるようになり、施術後に状態が悪くなるというリスクを下げることができます。

体調検査のやり方についてここでは詳しく解説しませんが、一つだけ簡単にできる検査を紹介します。

「脊柱検査」

脊柱検査は患者さんに座位をとってもらい、脊柱を後方から前方に押して脊柱の硬さを把握する検査です。

勢いをつけて押すのではなくゆっくりと押せるところまで押すのがポイントです。

脊柱というのは全身の影響を受けやすい部位なので、体力がないと非常に固くなります。

逆に、体力がある状態だと後ろから押した時にグニャグニャ動きます。

この脊柱の硬さを指標にしながら、各調整をしていくと良いと思います。

部分部分の調整をしていく時に、さっきまでは柔らかかった脊柱が硬くなるタイミングがあります。

それが体力が尽きたタイミングで施術を止めるタイミングです。

失敗した時の対策

「少しやりすぎたな・・・」と思った時は、Cアジャスターなどの整体器具に数分寝てもらうと体力が回復します。

脊柱検査をすると脊柱も柔らかくなっています。

そして、そこで施術を終えるのが理想です。

整体器具を持ってない方は、患者さんにベッドで数分寝てもらうと良いでしょう。

硬いベッドに仰向けで寝ると股関節や首が伸展位になって負荷がかかるので、横向きに寝てもらって頭の高さを枕などで調整してあげると良いでしょう。

まとめ

今回は、施術家なら誰もが一度は経験する「施術後に痛みが増す」その原因と対策についてお伝えしました。

刺激に対する体の変化というのは、

刺激 → 体の反応(ATPを使う)→ 変化

という順番で起きているため、今の状態(体力)を把握しながら施術を行っていくことが重要ということでした。

そして、それを見極めるための脊柱検査。

もし、やりすぎてしまった場合、そのまま患者さんを帰すことは良くないので、少し休んでもらってある程度回復してから帰ってもらうようにしてください。

これらを意識するだけで、「施術後に体が悪くなった」という患者さんの数をグンと減らすことができるようになると思います。

是非参考にしてみてください。

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疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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