患者さんに「どれくらいで良くなりますか?」と聞かれて困ったことはありませんか?
施術後の体の変化は、患者さんの状態によって様々です。
どのようなポイントをみていくと、正しく予後を予想できるのでしょうか?
4つのポイント
動画では「腰痛」で来院された患者さんを例にお話しています。
まずざっくりと分析をするために、4つのポイントを確認していきます。
急性 or 慢性
急性の腰痛で多いのは、ぎっくり腰の患者さんです。
急性症状は発生してから、時間と共に痛みが変化していきます。
ぎっくり腰は特に、グキっとした瞬間ではなく4〜5時間後が痛みのピークになります。
施術をしても、この痛みの変化を止めることはできません。
炎症は「治るための反応」です。
正しい反応が出ている場合は、4〜5時間後に痛みのピークをむかえ、その後おさまっていくはずです。
困るのは「1時間前にぎっくり腰になった」というパターンの患者さんです。
この場合、そのタイミングで施術をしたとしても時間が経つと必ず痛みが出てしまいます。
なので、患者さんに「3〜4時間後に痛みが強くなります」と事前に伝えておく必要があります。
そうしないと患者さんは「施術をしてから、痛みが強くなった」と思ってしまいます。
急性なのか、慢性なのかを考える上で「いつから痛みがあるのか」は重要な情報です。
問診の際に必ず確認しましょう。
循環問題 or 構造問題
「循環問題」とは、関節・筋肉・軟部組織などの問題で、レントゲン・CT・MRIなどでは出てこないものを指します。
「構造問題」とは、ヘルニア・脊柱管狭窄症など、病名がつくような状態のことをいいます。
構造問題が絡んでいると、どれだけ施術をしても改善しない、ということが起こってしまいます。
なので、構造問題と循環問題はしっかりと分けて考える必要があります。
まずは、病院で何か診断されているかを確認します。
診断がついている場合は「予後がよくない」と最初の段階で患者さんにもお伝えしましょう。
施術者自身も、簡単に改善できるものではない、と覚悟して施術に臨む必要があります。
構造的に傷んでしまっているものは、細胞がサイクルするまで治っていきません。
だんだんと緩やかに改善に向かっていくイメージで、長い場合は、3ヶ月〜半年前後かかることもあります。
「循環問題」なのか?それとも「構造問題」が起こっているのか?
しっかりと分けて考えて問診していく必要があります。
予後予想はお互いのために重要
患者さんは症状を治すために来院されますし、先生は治すために施術をしていると思います。
正しく予後予想をすることは、お互いのために重要なポイントです。
「1週間は痛みが続くと思います」と言われたら、患者さんはその期間は覚悟します。
その後、きちんと改善すれば問題ありません。
逆に「明日には良くなると思います」と伝えて、それから1週間痛みが続いたらクレームにもつながってしまします。
施術をスムーズに進め、患者さんに納得していただくために、問診の際にぜひ確認してみてください。