【臨床事例】10年以上悩まされている首肩のコリの治し方

こんにちは。疲労回復整体アカデミーの岡村です。

肩コリというのは腰痛と並んで今や国民病となっています。

肩コリが酷くなってくると、それが起点となって頭痛や手のしびれなどの症状が出てくる場合があります。

そうなると、「なんとかしたい」ということで治療院や整体院などを受診される患者さんも多いです。

しかし、多くの人が感じている症状は軽度なもので、「肩がコリやすい」「首が引っかかる感じがある」などそこまで生活に支障をきたすものではありません。

ですので、多くの人は何かしらの首肩の症状は抱えていても、その違和感を許容して生活している人がほとんどだと思います。

実際に、「 肩コリの症状、気になりますか?」と街頭で100人に聞いたあるアンケート調査で、「かなり気になる」が57%、「少し気になる」が32%、「気にならない」が11%と約9割が「肩コリが気になる」という結果だったそうです。

そして、「肩コリが気になる」という人たちに対処法を聞いたところ、最も多かったのが「マッサージや整体に通う」(40%)というものでした。

逆に言うと、それだけ多くの人が整体やマッサージで「肩コリ」を治そうとしているにもかかわらず、肩コリが治ってないということになります。

これは、現代人はデスクワーク、スマホ、家事など生活の中で常に首肩に負担がかかるから仕方がない、ということも一理あると思います。

しかし、私の経験上、「施術を受けてから首肩のコリや違和感が全然気にならなくなりました」という患者さんも数多くいらっしゃいます。

今回紹介する患者さんも「10年以上首肩の痛みがある」という方でしたが、施術後は肩こりをほとんど感じなくなったと仰っていました。

今回の臨床事例は「肩コリが治らない本当の原因を知りたい」「根本から肩コリを治す手順を知りたい」という方には参考になるかもしれません。

患者さんは55歳女性/主訴は「慢性的な首肩のコリ」

今回の患者さんは55歳女性。主訴は「慢性的な首肩のコリ」です。

10年以上前から首肩のコリを感じるようになったそうで、常に首が詰まる感じがあるということでした。

実際にその場で上下左右に向いてもらい首を自動で動かしてもらい、どの動きが一番引っかかる感じがあるか調べてもらいました。

すると、左右はそこまで気にならないけど、上を向く時が一番詰まる感じがあるということで、私から見ても60°くらいしか上を向けていませんでした。

頚椎伸展の参考可動域は50°程度なので、その先で止まっているということは胸椎の影響などが考えられます。

実際に頚椎と胸椎の椎間関節を一つ一つ検査していくと、頚椎には異常がなく上部胸椎で問題が起こっていてT1、T2に硬さが出ていました。

また、座位検査で他に気になったのが骨盤の後傾。左右ともに骨盤が後傾しており、右よりも左の方が顕著に後傾していました。

そこで骨盤の後傾と首の詰まりが関係あるかどうか調べようと思い、TLを使って左の腸骨を手でサポートしたまま上を向いてもらいました。

結果は首のつまり感10→6くらいになるということで、「骨盤の傾きも首に影響してそうですね」と伝えて施術に入りました。

アイテムも活用しながら施術

施術は、整体器具(Cアジャスター、Aアジャスター、循環ホットパック)を使って施術ベッドに寝てもらい、1分ほどで全身の歪みを自動的に調整。

起き上がってもらい、上を向いてもらうと90°くらい向けるようになっていて、本人に首のつまり感の変化を聞くと10→5くらいになったということでした。

上部胸椎(T1、T2)の硬さをチェックすると、T2の硬さはなくなっていて、T1の右側の硬さが顕著に現れていました。

さらに、座位で骨盤の後傾具合を再度チェックすると、左右ともに改善し、特に左側の骨盤の後傾はあまり見られませんでした。

先程は左の方が右よりも後傾していたのに、体全体の歪みを調整すると、左よりも逆に右の方の後傾が目立つようになったということです。

そこで、次はTLを使って右の腸骨の後傾に影響している箇所を探していくと、右足外果付近で反応あり。

「そういえば、右足は過去に酷い捻挫をしたことがある」と患者さんが思い出していました。

ココローラーを使って右足の遠位脛腓関節付近とショパール関節付近を調整すると、右の骨盤の後傾もなくなり、骨盤の傾きの左右差はほぼなくなりました。さらに、右T1の硬さもほとんど消えていました。

患者さんに再度上を向いてもらうと、120°くらい向けるようになっていてビックリされていました。

首のつまり感も5→0になって全く違和感がなくなったそうです。

最後にT1椎間関節の左右差(右の動きの渋さ)が少しあったので、右T1を水素ガスを当てて調整。

すると、T1椎間関節の左右差は完全になくなりました。

1週間後に来院された時は、「今までと全然違います。首がすごい楽で肩こりをほとんど感じなくなりました」と仰っていました。

その後はメンテナンスで2週間に1回のペースで通っていただいています。

気になった部分は細かくチェック

今回最初の段階で気になった骨盤の後傾に着目し、TLを使って関連を調べて症状に影響していた右足の問題を見つけることができました。

一見関係ない問題でも関連することは多々あるので異常がある箇所は必ずチェックしておくとヒントになるかもしれません。

また、最初の段階では左の骨盤の方が後傾が強く出ていましたが、歪みを調整した後は右の骨盤の方が後傾が目立っていました。

これは反射が幾重にも重なって今の歪みを形成しているからです。

反射を一つ一つ調整していくと、体全体のバランスが変わってさっきまで左のほうが硬かったのに右が硬くなったり、さっきまではユニットで硬かったものがユニットの硬さが緩んで1箇所だけ硬さがハッキリ出てきたりいます。

今回も首や肩周辺にはほとんど触りませんでしたが、反射を調整していくことで首や肩の緊張が取れて、一番問題になっていた右T1の硬さが取れました。

このように施術の中で段階的に体は変化していくということを念頭において施術を行うと、深部の問題にたどり着くことができるかもしれません。

「検査法を学びたい」

異常がある関節を一つ一つ調べる「ROM検査法」や、問題の関連性を調べる「TL」の技術は疲労回復整体アカデミーの中で学ぶことができます。

「検査法を学びたい」という方は疲労回復整体アカデミーで学ばれてみてください。

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疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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