こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
あなたは、問診でどんなことを聞きますか?
「どこが痛いですか?」
「いつから痛いですか?」
「どうすると痛みが出ますか?」
などいろいろなことを患者さんに聞いてるかと思います。
実は、問診は非常に重要で
施術のヒントを得たり、症状の原因箇所を絞ることができます。
今回は「症状の原因箇所を推測する方法」を臨床事例とともにお伝えします。
- 原因の原因を特定できるようになりたい
- 施術のヒントがほしい
- 治せない患者さんを治せるようになりたい
という方には参考になるかもしれません。
今回の患者さんは 43歳男性/主訴は「頭痛」
20年前から月に数回頭痛が起こるそうで、発症時はロキソニンを飲んでいるということでした。
他にも、肩のトレーニングをする時に左右差があり、左があげにくいということでした。
検査を行うと以下の項目が気になりました。
- 首の自動検査:左を向く時、上を向く時に引っかかる
- 肩の屈曲:左の動きが渋い
- 肩の水平伸展:どちらも動きが渋い
- 左骨盤の動きの悪さ
- 頸椎ROM検査:左C7の硬さ
- 左手第4・5指の筋力の弱化
- 頭蓋の左側(側頭骨)の硬さ
触診で左手の第4・5指のハリ感がなかったので、筋力検査を行ってみると、やはり筋力が低下していました。
また、肩の屈曲時に問題が出ていたので、足にも問題があると思ってTLを使って原因を探しました。
すると、左足首に問題があったので、患者さんに左足首に触れている時は左肩があがりやすくなることを共有しました。
施術は、整体器具のC/Aアジャスター、循環ホットパックを使って全体の血流を促すことで脳血流を促した後に
重力系の歪みを調整する慢性システムフローで構造的に負担がかかる箇所を調整していきました。
その過程で左足首の硬さが出てたので足首も調整。
さらに、全体の筋肉の引きつれなどを調整するシェイクと骨伝導で全体を調整し
再検査を行うと左手第4・5指の筋力も8割くらい戻っていて他の検査もほぼ正常になっていました。
ただ、左を向く時の引っ掛かりがまだ残っていて
首周辺をチェックしていくと、左側頭骨の硬さと左C7の硬さが少し残っていました。
TLで関連を調べるとどちらも関連があることが分かり
頭蓋の方が優位性が高かったので、TLで頭蓋周辺を調べていきました。
すると、左頬の部分で反応があり、患者さんに聞いてみると
「そういえば、子供の頃に腫瘍があって口の中を手術したことがありました」
と教えていただきました。
手術歴や過去の怪我などは問診で聞いていましたが、子供の頃の口の中の手術のことは忘れていたようです。
左の頬筋をココローラーで調整すると、左側頭骨・左C7の硬さがキレイに取れて
左を向いた時の引っ掛かりも完全になくなりました。
左手第4・5指の筋力検査も10割回復していました。
「たまに起こる頭痛も左肩の違和感もおそらく、子供の頃の口の中の手術の痕が一番の原因になっていたようです。」
と患者さんに説明しました。
後日、「トレーニングの時の違和感が全然なくなりました!」と連絡がありました。
その後頭痛を起きてないそうです。
原因箇所を特定する方法
今回は、過去の症状を引き起こしていた原因箇所をうまく特定できましたが
どのようにして原因を見つけたかというと、主に2つの要素があります。
一つは前回のメルマガでも紹介した「TL」です。
TLは原因箇所を最終的に特定するのに非常に有効です。
今回のように患者さんが忘れていた問題も、TLを使うことでうまく見つけ出すこともできるようになります。
もう一つの要素は「症状の発生条件からの推測」です。
これを知っていれば、ある程度原因箇所を絞ることができます。
このメルマガを読んでいる方は「原因の原因は、ほぼ症状箇所にない」ということはお馴染みだと思います。
そういう意味では、問診で「どこが痛いか?」を詳しく聞いてもその情報はあまり施術の参考にはなりません。
問診で患者さんに聞くべき情報は、「どんな時に痛いか?」です。
症状の出方というのは様々です。
「何をしていても常に痛い」という症状以外は、
「長時間座っていると腰痛が出る」
「歩いていると腰痛が出る」
「寝ている時が一番腰が辛い」
など、同じ腰痛でも症状が最も強く出る時があります。
実は、それだけで原因箇所をだいたい絞ることができます。
例えば今回は、肩の屈曲で動きの硬さがあったので
足にも何か原因があると予想し、実際に左足首に原因がありました。
なぜそのような予想ができるかと言うと、以下のような傾向があるからです。
□ 縦系の動きで症状がある場合
(首、肩、腰などの屈曲・伸展動作) ⇨ 足に問題がある可能性が高い
□ 横・回旋系の動きで症状がある場合
(首、肩、腰などの側屈・回旋動作) ⇨ 手に問題がある可能性が高い
これは、あくまでも傾向なので絶対ではありません。
原因箇所が今回のように頭蓋にもあったり、腹部などにある時もあります。
だから、決めつけはせずに、フラット見ることは重要です。
ただ、原因箇所は圧倒的に四肢に多いという傾向があるので、この傾向を覚えておくと、臨床では非常に役に立ちます。
是非参考にしてみてください。