こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
今回は疲労回復整体アカデミー、インストラクターの臨床事例を紹介します。
筋性斜頸が股関節の可動域に影響
◆患者さん情報
小学校5年生/女の子/チアダンスをやっている
主訴:体の柔軟性をあげたい
3年前からチアダンスを本格的にやっていて大会にも出ている。
体が硬いという自覚があり、毎日自分でストレッチしたり、ストレッチ店に2年間通うも改善せず。
特に股関節外旋の動きが硬い。
右足が外に開きにくく、回すと音が鳴る。
◆検査
・肩の外転:左右ともに偽陽性(左の時は首が寄る)
・肩の水平伸展:右が硬い
・骨盤:左は陽性、右は偽陽性
・仙腸関節ROM:左が陽性、右も動きが渋い
・頚椎ROM:左C4が陽性(ロック)
・股関節ROM:右は内旋時に渋さ
◆見立て・分析
予診票記入中に首が左に傾いているように見えたので、
視力の差があるか確認すると両目ともに裸眼で0.3で、左右差はないとのこと。
ただ、明らかに首が左に傾いていたので細かくROM検査をしていると、
「そういえば赤ちゃんの頃に筋性斜頸と診断されました」とお母さんが思い出してくれました。
首の影響があるかもしれないと思い、左C4の硬さと仙腸関節のロックをTLで調べると関連あり。
やはり左C4の問題が影響していました。
C4を触りながら股関節を動かしてもらって動きが良くなることを共有して
「首の影響で股関節が硬くなっているから、まずは首をケアしていきましょう」と伝えました。
◆施術
首が股関節に影響していることを体感してもらうために、
まず施術用まくらだけを使い、ビフォーアフターを見せました。
すると、「すごく寝やすい!」と本人が驚いていました。
それを見ていたお母さんに枕の重要性も伝えると、その場でキュアレの店舗で推奨している枕を購入されました。
整体器具3点セットで調整し、再検査すると左仙腸ROMのロックは解除。
左C4の硬さと右股関節内旋時の渋さは残っていました。
そこで、左C4付近の筋肉に対してツイストストレッチを行うと、
左C4のロックは解除され、右の股関節の渋さがなくなりました。
施術後は首が傾いていたのがまっすぐになり、右股関節も外旋しやすくなり、右足を回す時に鳴っていた音も無くなりました。
本人も「全然違う!」と驚いていて、
お母さんは「首が悪かったのか~。赤ちゃんの頃の影響ってあるんですね」と感心していました。
「首の状態が良くなってくれば安定してくると思うので、とりあえずこの枕でたくさん寝てください」と伝えて初回は終了。
2回目の施術
2回目の施術は3日後に行いましたが、その日はダンスのレッスン後でした。
「股関節は前よりかなり動きやすくなったけど、左に比べるとまだ右が動きづらい。
肩はかなり動きやすかったし、よく眠れるようになった」と言っていました。
検査をすると、左C4の硬さはありませんでした。
ただ、仙腸関節は左右ともに動きが渋くなっていて、特に右足首の硬さが出ていました。
整体器具3点セットで調整した後も右足首の硬さは残っていたので、右足首周辺の筋肉に対してツイストストレッチ。
すると、8割程動きは改善。
ただ、立ってもらった時の反応がいまいちだったので、足首のデザートストレッチも行いました。
すると、「立つのが楽!」と本人も効果を実感していました。
3回目・4回目の施術
3回目はその2日後に行いましたが、足首の状態は良いままで
「股関節の左右差はほとんどなくなりました」と言っていました。
ただ、4回目以降レッスン後には股関節の違和感や首の張りが少し出ていたので、今後はそこを中心に見ていこうと思います。
◆総括
問診の段階で他のところに行ってもよくならなかったということなので、
周辺の問題というよりも離れたところに問題があるのではないか、と思いました。
今回は「首が影響している」ということで、Cアジャスター(施術用まくら)を上手く使って
本人にもお母さんにも共有できたことで枕の購入にも繋がり、
結果的に治りやすい環境を作ることができたと思います。
レッスン後にまだ症状が少し出ている様子なので、今後は足の問題を中心に見ていきたいと思います。
離れたところの問題が影響しているケース
いかがだったでしょうか。
今回症状が出ていたのは股関節でしたが、生まれた頃の筋性斜頸が影響していました。
患部を施術してもなかなか変化がなければ、離れたところの問題が症状に影響しているケースも多々あります。
検査をする時は患部だけでなく全体を見て、症状との関連を調べていくことが重要です。
また、 今回施術で使用した「ツイストストレッチ」や「デザートストレッチ」は
単体の筋肉に対してアプローチしたり、単体の関節ピンポイントでアプローチするテクニックです。
一般的に世の中にあるストレッチは、関節に関連する複数の筋肉を伸ばします。
筋肉単体で狙ったものや関節単体で見る検査はありません。
体は複合的に動くことによって力を分散して痛みを感じづらくしています。
しかし、調整する時にこの機能が邪魔をして、力が分散してしまってうまく調整できないことがあります。
検査をする時も、細かく見ていかないとどこに問題が起きてるかがなかなか特定できません。
精度を上げていくためにはより細かく検査する必要があります。
是非参考にしてみてください。
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