「昔オスグットになったことがある」という患者さんは、
全く関係ない症状であっても膝の問題が症状に影響している可能性があります。
こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
ハワイに住んでいる友達が日本に遊びに来ていて
「最近股関節が痛くなる」「右手がよく腱鞘炎になる」ということだったので
彼が宿泊しているホテルで施術してあげました。
友人は30代で自分で事業をやりながら、ハワイで人気のケーキ屋さんも運営しています。
自分でケーキも作っていて、材料を混ぜたりする時に右手が痛くなるそうです。
ちなみに、ハワイの物資のほとんどが島の外から輸入しているため輸送コストがかかり、アメリカの中で最も物価が高くなっています。
私も去年、解剖実習でハワイに行きました。
朝カフェでハンバーガーとアイスコーヒーを頼んだだけで
22ドル(約3000円)というワケの分からない金額に、泣きながら1週間過ごしました。
股関節の痛み
股関節の症状について詳しく聞いてみると、「ジムでトレーニングする時に足に力が入りづらい」
「トレーニング後は1週間足の疲れが抜けない」ということでした。
また、他の体の違和感についても聞いてみると、「ここ10年くらいは眠りが浅く途中で起きてしまう」
「肩こりは昔からある」ということでした。
既往歴を確認
まず、ヒントを得るために
過去のケガ、手術、交通事故などの既往歴について聞きました。
- 小5の時にオスグット(両膝)
- 高校生の時にバスケで転倒して右手の橈骨を骨折
- 高校生の時に右足首を捻挫
体の状態をチェック
検査を行うと、体全体の可動域は割と良い状態でした。
気になったのは以下の項目です。
- 左股関節の過可動性(関節が動きすぎの状態)
- 右足首の硬さ
- 右の橈骨手根関節の動きの渋さ
- 両肩僧帽筋の緊張
- 右頚椎3番の動きの渋さ
特に気になったのは左股関節の過可動性です。
関節が過可動性の状態にあると、安定せず力が入りづらくなります。
不安定な関節はダメージを負いやすいため、痛みも出やすくなります。
大腿四頭筋の筋力検査を行ってみると予想通り左は力が入りづらくなっていました。
TL(関連性を調べる検査)で既往歴との関連を調べてみると
左股関節の過可動性は、右手の橈骨の骨折箇所と関連がありました。
施術
全身のゆがみを調整
施術は、脳反射スキップテクニックと重力反射スキップテクニックで、まず全体のゆがみを調整。
次に、全体の血液循環を促進させるシェイクと骨伝導を行いました。
循環を促進することで、取れる硬さは取れて、残る硬さは残ってくるので、慢性的な問題が見えやすくなります。
掃除をした後に1回水を流すと、細かいチリや汚れが流されて、こびりついている汚れだけが残ってくるイメージです。
再検査
再検査すると、左股関節の過可動性は8割くらい解除されていました。
彼も足の力が入りやすくなったことに「すげー!」と驚いていました。
ストレッチで調整
次に、右手首の骨折箇所とその周辺をツイストストレッチで調整。
すると、右橈骨手根関節の動きの渋さがなくなり、左股関節の過可動性も10割改善。
一度立ってしゃがんでもらうと、「なんか力が入りやすい気がする」と効果を実感していました。
再検査
再検査すると、右頚椎3番にあった動きの渋さは頚椎4番に移動していて、両肩の僧帽筋の緊張も残っていました。
それぞれTLで調べてみると、どちらも両膝の脛骨粗面(オスグットの箇所)で反応あり。
再度ストレッチで調整
両膝の脛骨粗面付近をツイストストレッチで調整すると、右頚椎4番の動きの渋さも両肩の僧帽筋の緊張も取れました。
「肩の力が抜けた感じが分かる」と彼も体感していました。
翌日の朝
今朝、連絡をもらって「昨日はびっくりするくらい熟睡した、今朝は体の調子がすこぶる良い!」ということでした。
既往歴の影響
今回は、何も道具を持っていなかったので全て手技で調整しました。
手技で調整すると、施術中体力を削りやすく、体への負担が大きくなりますが、
彼のベースの体力が高かったので1回の施術で上手くいきました。
また、既往歴を最初に細かく聞けたので、施術をスムーズに進めることができました。
骨折やオスグットなど、骨レベルの損傷は体全体のバランスに影響を及ぼします。
症状を引き起こしている要素の一つになっていることも多いです。
今回も足の症状は右手首の骨折が影響していて、長年の肩こりは膝のオスグットが影響していました。
骨レベルの損傷がある場合は、必ずチェックするようにしてみてください。
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