「咳をした時に肋骨を骨折しました」という方が稀にいます。
「そんなことあるの?」と私も昔思ってましたが、この仕事をしているとそういう経験があるという方が過去数人いました。
先日、名古屋で開催されたセミナーでも「3ヶ月前に咳をした時に右の肋骨を骨折した」
「今も体を動かすとその付近に痛みがある」という方がいたので施術をしました。
結果としては、施術後ほとんど痛みはなくなり、本人は驚いていました。
施術をしながら原因が分かったのですが、実は、3ヶ月前の肋骨の骨折には過去の手術痕が影響していました。
手術痕の影響と調整する時のポイント
こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
今回は「手術痕の影響と調整する時のポイント」を解説します。
- 咳をしただけで肋骨が骨折する原因が知りたい
- 骨折後に残る痛みや違和感の取り方が知りたい
- 手術痕をどのように調整したらいいか知りたい
という方には参考になるかもしれません。
咳をしただけで肋骨が骨折した理由
今回施術をしたのは、40代男性の治療家の先生で
- 3ヶ月前に咳をした時に右の肋骨を骨折した
- 今も体を動かすとその付近に痛みがある
- 右側だけでなく左側も痛みがある
という方でした。
骨折から3ヶ月経っているので骨折は治っているはずですが、それでも痛みや違和感が残っているのは
骨に問題があるのではなく、その周辺の組織に問題があるということです。
ですから、周辺の組織を治さなければいけません。
今回は、整体器具で全体の歪みを調整した後に
骨折した箇所周辺を調整ローラーとシリカタオルを使って調整していきました。
すると、右側の痛みや違和感はほぼ取れたのですが、逆に左側の胸郭の硬さが残ってきました。
「10年以上前に十二指腸の手術をしたことがある」と聞いていただので
どんな手術をしたか聞くと、腹部を縦に開腹したということでした。
TLで手術痕付近を調べてみると
左側の胸郭の硬さと関連があったので、シリカタオルを使って手術痕付近を調整しました。
すると、左側の胸郭の硬さもなくなりました。
普通は咳をするくらいで骨折しません。
しかし、手術痕の癒着などに軟部組織が引っ張られて、胸郭が硬くなっていたとするなら骨折もあり得ます。
おそらく咳をした時の圧力が逃がせないほど胸郭が硬くなっていたため、骨折に繋がったのではないかと思います。
手術痕を調整する時のポイント
最近の手術は傷口が小さく収まるケースも多いですが、傷口ではなく中で癒着が進んでいたりします。
手術痕自体も筋骨格系に影響を及ぼしますが、
中の組織を切除している場合は、中の部分で癒着があることも想定して調整しなければいけません。
また、TLで反応するこということは、少なからず「調整して良い」と捉えることができます。
TLは調子が良くなると反応し始めたり、調子が悪くなると反応しなくなったりします。
反応がある場所を調整したとしても、その問題がどれだけ調整されるかはその日の体調や体質によります。
体の代謝力が低い場合は、どれだけ適切に施術しても1回の施術では治りきりません。
その時反応する部分の100%しか治せないということです。
もちろん技術力の問題で調整しきれてないこともありますが、
「患者さんの体力の問題がある」ということを想定しておかなければいけません。
ですから、調整した箇所をカルテに記入しておいて、
次回またそこをチェックして、完全に改善するまで追っていかなければいけません。
調整は手技でも調整できますが、アイテムを使った方が体への負担が少なくなります。
それだけでなく、手術痕の中の問題に対しては道具を使った方が確実に精度が上がります。
是非参考にしてみてください。
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