どこに行っても良くならない患者さんのためのヒント

こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。

今回は「どこに行っても良くならない患者さんを改善するためのヒント」を事例を元に解説します。

  • なかなか改善しない患者さんをなんとかしたい
  • 子供の施術について知りたい

という方には参考になるかもしれません。

まず疲労回復整体アカデミーの先生が書いた事例をそのまま紹介します。

目次

【事例】主訴:体の柔軟性を上げたい、股関節がの動きが悪い

患者さん情報

小学校5年生/女子/チアダンスをやっている

主訴:体の柔軟性を上げたい、股関節がの動きが悪い

3年前からチアダンスを本格的にやっていて大会にも出ている。

体が硬いという自覚があり、毎日自分でストレッチしたり、ストレッチ店舗に2年間通うも改善せず。

特に股関節外旋の動きが硬い。

右足が外に開きにくく、回すと音が鳴る。

検査項目

・肩の外転:左右ともに偽陽性(左の時は首が寄る)

・肩の水平伸展:右が硬い

・骨盤:左は陽性、右は偽陽性

・仙腸関節ROM:左が陽性、右も動きが渋い

・頚椎ROM:左C4が陽性(ロック)

・股関節ROM:右は内旋時に渋さ

見立て、分析

予診票記入中に首が左に傾いているように見えたので、視力の差があるか確認すると

両目ともに裸眼で0.3で左右差はないとのこと。

ただ、明らかに首が左に傾いていたので細かくROM検査をしていると、

「そういえば赤ちゃんの頃に筋性斜頸と診断されました」とお母さんが思い出してくれました

首の影響があるかもしれないと思い、左C4(頸椎4番)の硬さと仙腸関節のロックをTLで調べると関連あり。

TL(セラピーローカリゼーション):関連を調べる検査法

やはり左C4の問題が影響していました。

C4を触りながら股関節を動かしてもらって動きが良くなることを共有して

首の影響で股関節が硬くなっているからまずは首をケアしていきましょう」と伝えました。

施術

首が股関節に影響していることを体感してもらうために、

まずCアジャスター(枕型の整体器具)だけ入れて、ビフォーアフターを見せました。

すると、「すごく寝やすい!」と本人が驚いていました。

見ていたお母さんに枕の重要性も伝えると、その場で当院で推奨している枕を購入されました。

整体器具3点セットで調整し、再検査すると左仙腸ROMのロックは解除。

左C4の硬さと右股関節内旋時の渋さは残っていました。

そこで、左C4付近の筋肉に対してツイストストレッチを行うと、

左C4のロックは解除され、右の股関節の渋さがなくなりました。

ツイストストレッチ:部分的な筋肉の問題を調整できるテクニック

施術後は首が傾いていたのがまっすぐになり、右股関節も外旋しやすくなり、

右足を回す時に鳴っていた音も無くなりました。

本人も「全然違う!」と驚いていて、

お母さんは「首が悪かったのか~。赤ちゃんの頃の影響ってあるんですね」と感心していました。

「首の状態が良くなってくれば安定してくると思うので、とりあえずこの枕でたくさん寝てください」と伝えて初回は終了。

2回目の施術

2回目の施術は3日後に行いましたが、その日はダンスのレッスン後でした。

「股関節は前よりかなり動きやすくなったけど、左に比べるとまだ右が動きづらい。

肩はかなり動きやすかったし、よく眠れるようになった」と言っていました。

検査をすると、左C4の硬さはありませんでした。

ただ、仙腸関節は左右ともに動きが渋くなっていて、特に右足首の硬さが出ていました。

整体器具3点セットで調整した後も右足首の硬さは残っていたので、

右足首周辺の筋肉に対してツイストストレッチ。

すると、8割程動きは改善。

ただ、立ってもらった時の反応がいまいちだったので、足首のデザートストレッチも行いました。

デザートストレッチ:部分的な関節の問題を調整できるテクニック

すると、「立つのが楽!」と本人も効果を実感していました。

3回目・4回目の施術

3回目はその2日後に行いましたが、

足首の状態は良いままで「股関節の左右差はほとんどなくなりました」と言っていました。

ただ、4回目以降レッスン後には、股関節の違和感や首の張りが少し出ていたので、今後はそこを中心に見ていこうと思います。

総括

問診の段階で他のところに行ってもよくならなかったということなので、

周辺の問題というよりも、離れたところに問題があるのではないか、と思いました。 

今回は「首が影響している」ということで

整体器具を上手く使って、本人にもお母さんにも共有できたことで枕の購入にも繋がり、

結果的に治りやすい環境を作ることができたと思います。

レッスン後にまだ症状が少し出ている様子なので、今後は足の問題を中心に見ていきたいと思います。

「他でいろいろやっても良くならない」という患者さん

いかがだったしょうか?

今回の患者さんは「股関節の動きが悪い」ということで

毎日自分でストレッチしたり、ストレッチのお店に2年通っても、なかなか改善しなかったということでした。

実際、その原因は子供の頃の筋性斜頸が関係していて、首を調整すると改善したということでした。

今回のように「他でいろいろやっても良くならない」という患者さんは

「原因は離れたところにある」というケースが多いです。

一般的には患部周辺を施術することが多いと思いますが、もし、患部周辺に原因があれば既に治っているはずです。

そういった意味で、「他でいろいろやっても良くならない」という患者さんは

患部周辺でない離れた場所に原因があるということです。

もちろん、それだけでなく、患者さんが持ってるベースの治癒力(体質)が高いか低いかにもよります。

例えば、糖尿病の患者さんや高齢の患者さんはなどは、循環が悪く治癒力が下がっているので

治っていくスピードが遅い傾向があります。

そういった患者さんは「ベースの治癒力を上げていく」という考え方で

中長期的にサポートしていかなければなかなか治っていきません。

しかし、今回のケースはまだ小5ということでベースの治癒力は高いはずです。

にも関わらず、2年も改善しなかったということは、離れたところに原因がある可能性があると考えられます。

特に、子供で何か慢性症状があるというケースは、胎児の頃の問題が影響している可能性が考えられます。

母親のお腹の中にいる時に、母親の体調が悪く、腹圧が高まり

頭蓋骨など人体のベースが作られる時に不具合が起きている可能性です。

ですから、このようなケースは親御さんに「妊娠中に体調を崩したこととかなかったですか?」と聞いてみると良いかもしれません。

そういった事実があれば、胎児の頃の問題の可能性が高まります。

頭蓋をチェックして、問題があれば頭蓋の調整が必要なケースもあります。

是非参考にしてみてください。

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疲労回復整体アカデミーでは、体験会を開催しています。

実際に「施術を受けてみたい」という方は、ぜひ下記をチェックしてみてください。

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著者

疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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