「問診から原因を分析するコツをあなたは知っていますか?」
こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。
今回は症状の原因を特定するための「問診から原因を分析するコツ」を解説したいと思います。
腰痛でお悩みの美容師さん
先日、家の近くの美容室に行ってきました。
そこの美容室に行くのは今回が3回目でした。
「整体の仕事をやってるんです」という話をすると、「実は腰痛持ちで…こういうのって治るんですかね?」と美容師さんに聞かれました。
そこで、いつもの問診の癖が出て以下のようなやりとりをしました。
質問1
「いつから腰痛がありますか?」
→『もう20年前くらいからですかね』
質問2
「何かキッカケはありましたか?」
→『シャンプーをしている時に背中がピキッとなって、これはヤバイと思いました』
質問3
「どうすると痛みが出ますが?例えば前かがみとか腰を反ったりとかひねったりとか」
→『腰をひねる時ですね。ゴルフでスイングする時に引っかかります』
「じゃあ前かがみとか腰を反っても痛くないですか?」
→『そうです』
質問4
「どんなタイミングで腰痛が出やすいですか?寝てる時とか朝も辛いですか?」
→『朝が辛いですね』
「経っている時とか仕事している時も腰痛が出ますか?」
→『仕事している時はあまり気になりません』
質問5
「過去のケガとかが影響することもあるんですけど、骨折とかケガしたことありますか?」
→『大きなケガはないですね』
「小さい頃は何かスポーツしてましたが?」
→『野球してました』
「じゃあケガがあるとしても、捻挫とか突き指程度ですかね?」
→『そうですね』
「手術とか交通事故の経験はありますか?」
→『ないです』
「今何か飲んでる薬とかありますか?」
→『ないです』
5分程度の簡易的な施術
この時点で、「上肢が疑わしい」と思いました。
「腰痛って体のいろいろなところから腰に負担がかかって出るんですけど、もしかしたら手に何かしら問題があってそれが影響しているかもですね」
「後でちょっと見てみましょうか?」と伝えると
「本当ですか?お願いします」と後で体を見る流れになりました。
髪を切ってもらった後に5分程度の簡易的な施術を行いました。
まず、立った状態で簡易的に体をチェック。
体を回旋してもらうと、左右ともに詰まり感があり痛みも出ていました。
腰部を触診すると、全体的に硬さがありましたが、特にL2の左側の硬さを感じました。
特に左回旋時に左の腰部付近で引っかかっている感じがあったので、TLでどこが影響しているか調べると左の腎臓付近で反応あり。
「腎臓は体液の濃度を調整してくれている内蔵だから、水不足だと負担がかかりやすかったりもします。
今日って水分ちゃんと摂ってますか?」と聞くと
「今日はあんまり摂ってないですね」ということだったので、その場で水を飲んでもらいました。
そして体の回旋を行ってもらうと、左の回旋がさっきよりも回るようになって本人もビックリされてました。
回旋の動きは左が良くなった分、右回旋時の詰まりを強く感じるようになっていました。
L2の左側の硬さはまだ残っていました。
次に右回旋時の引っかかりからTLで追うと右手で反応あり。
詳しく見ていくと、右肘の内側上顆付近で反応がありました。
そこで反応がある2箇所をツイストストレッチで調整すると、L2の左側の硬さも軽減していました。
右に回旋した時の詰まり感もなくなり、「え!?何ですかこれ!?すごい!!」
美容師さんはかなり驚いていました。
検査も施術も立ったまま行ってかかった時間は5分くらいでした。
「今回は簡易的な施術をしただけです。右肘の問題がかなり影響していたみたいですね」と伝えると、
「そういえば、野球やっていた時に野球肘になったことありました」と思い出していました。
「ちゃんと見てもらいたいんですけど、どこで施術受けれますか?」と聞かれたので
YouTubeで施術モニターやってることを伝えると、「是非行きたいです!」と、今度施術モニターに来ていただくことになりました。
手の問題を疑った理由
今回、手の問題を疑ったのは以下の理由からです。
- 痛みが出るのが腰の屈曲や伸展動作ではなく、回旋動作で出ていた
- 仕事中など立っている時には痛みがなく、寝ている時に痛みが出ていた
まず「足の問題は縦の動きに影響しやすく、手の問題は横や回旋の動きに影響しやすい」、という傾向があります。
今回は回旋動作でのみ痛みが出ていたので、手の問題の可能性を疑いました。
また「立っている時は足に負荷がかかるため、足に問題があればそれが強調される」という傾向もあります。
立っていたり歩いている時に酷くなる症状は、足の問題が少なからず影響しています。
今回はそうではなかったので、足以外の要素(上肢、体幹部、頭部)を疑いました。
ちなみに、寝ているときというのは寝具など睡眠環境の影響も受けますが、
上肢の影響も受けやすくなります。
起きている時は上肢が少し前方にきますが、
仰臥位で寝ると腕の重さで肩が後方に引っ張られる形になります。
基本的に人間は屈筋主体で生活をしているので、問題が起こるのは屈筋が多いです。
屈筋は筋膜の繋がりで連動してくるので、手に問題が起こると肘も肩も屈曲位になります。
その状態で仰臥位で寝ると、手の問題が強調されてしまいます。
もちろんこれらの分析はあくまでも仮説なので、実際に検査すると想定とは違う結果になることもあります。
今回も最初は腎臓の問題が出てきていました。
検査を行って状況を正しく把握することが一番重要です。
ただ、分析の仕方を知っていれば、原因となっている場所の特定がしやすくなったり、
どういった経緯で症状が起きたのかを読み解きやすくなります。
是非参考にしてみてください。
「体験会」実施中
疲労回復整体アカデミーでは、体験会を開催しています。
実際に「施術を受けてみたい」という方は、ぜひ下記をチェックしてみてください。