【臨床事例】ランニング時の股関節痛

こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。

今回は、ランニング時の股関節痛が、右腕の調整で改善した事例を紹介します。

まだ20代と若く、運動もしているにも関わらず、体の状態はあまり良くありませんでした。

しかし、あることを変えてもらうようになってから、回を追うごとにどんどん体が良くなっていきました。

今回の患者さんは、28歳男性

趣味はランニング(週3)。

主訴は「股関節痛」です。

高校3年生の時から走っている時に右股関節に違和感があったそうで、

最近は痛みも出るようになり、特にランニング時6~7km超えると強く痛みが出て走れなくなるとのこと。

他にも左アキレス腱も常に突っ張る感じがあるということでした。

既往歴を聞くと、中1の時に左頭部を8針縫う外傷、中2の時に左上腕骨折、高2の時に左前距腓靭帯損傷があったということだったので、それらと何かしらの関連があると予測。

検査を行ってみると右股関節ROM制限(外旋の動きが制限)があったので TLで右股関節と既往歴の関連を調べてみました。

すると、見立てた通り左上腕の骨折箇所と右股関節のROM制限が関連していることが分かりました。

そこで、患者さんに右足を自動で上げてをしてもらい、左上腕の骨折箇所に触れている時と触れてない時で足が上げやすくなることを体感していただきました。

「本当だ!すごい!」と本人も驚かれていました。

この時点で、患者さんとある程度信頼関係が作れたのでその後も施術がしやすくなりました。

検査を行うと、右股関節だけでなく左股関節も硬くなっており、腕の挙上も右は120°までしか上がらず、脊柱の動きも非常に硬くなっていました。

初回の施術

初回の施術は、Cアジャスター、Aアジャスター、循環ホットパックでベースとなる歪みを調整

軽くポンプを行いました。

股関節ROMの外旋時の硬さも左右ともに改善しましたが、僅かに右の股関節の硬さは残ってました。

来月に人生初のフルマラソンを走るということだったので、「それに間に合うように準備していきましょう」と伝えて初回は終了。

2回目の施術

それから1週間後に2回目の施術を行いました。

「前回施術後は調子が良かった。右股関節の痛みは変わらなかったが、左アキレス腱の違和感は減った」と話されていました。

体調検査をすると悪くない状態だったので、前回と同じ施術を行った後に

TLで右股関節→左上腕外側(過去に骨折した箇所)で反応することを確認して、そこをココローラーで調整しました。

すると、調整後は右股関節外旋時のROM制限がなくなりました。

3回目の来院

その1週間後に3回目来院された時は、「痛みはかなり減って、10kmのレースを痛みを感じずに走れた。ただ、左腕を振る時に左腕に違和感がある」と話されていました。

道具を使ってベースの歪みを調整した後に左腕をチェックすると、前回調整した箇所の近くに別の硬さが残っていました。

そこで、その部分を調整すると、左腕を振りやすくなり右股関節の動きも更によくなりました。

おそらく、前回調整した箇所の取り残しがあったのだと思いました。

3回目の時に、食事についてのアドバイスも行いました。

そもそも、年齢も若く、運動もしている人がこれだけ体が悪くなるということは、食事に何かしら問題があると思ってましたが、案の定、コンビニのご飯を7年間ほぼ毎日食べ続けているということでした。

そこで、添加物や栄養の偏りが体に与える影響や、なぜ症状が治らないのかという話をして、コンビニのご飯はやめて食生活を改善していくことを勧めました。

ご本人も「フルマラソンを走りきるという」目標があったので、そのアドバイスを真摯に受け止めて、それ以降食事を意識するようになったそうです。

すると、それ以降は、回を追うごとに背部の硬さが減ってきました。

患者さん自身も「起床時の疲れの取れ方が全然変わった」と食事改善による体の変化を実感されているようでした。

1か月後フルマラソン大会のでは、最後まで痛みなく走りきることができ、人生初のフルマラソンにも関わらず、3時間半を切ることができたそうです。

まとめ

今回の事例は、既往歴を細かくチェックして症状との関連を調べたことと、食事を改善していけたことが大きなポイントだったと思います。

「症状を治すのはあくまでも患者さんの体であって、施術者ではない。」「施術者は、治っていきやすい環境を整えるだけ。」と、熊谷先生がよく仰っていますが

施術者がいくら体を良くしても、患者さんの体質が悪ければ、症状が思うように良くならなかったり改善に時間がかかったります。

体質は食事による影響を強く受けるので、食生活が重要なことは周知の事実ですが、患者さんの食生活を変えることは容易なことではありません。

だからこそ、「なぜ食生活が症状に影響するのか?」「どのようにして症状は起こるのか?」「どうしたら治っていくのか?」といったことを患者さんに分かりやすく説明していくことが重要だと思います。

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疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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