【臨床事例】耳管開放症

こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。

今日は10年間続いていた耳管開放症(大きな音で耳がキーンとなる症状)が改善した事例についてご紹介します。

タイトルの通り、その原因は整形手術にありました。

頭痛・目まい・目の疲れ・突発性難聴など

頭部や目や耳に関する症状を治す時に、今日の事例はもしかすると参考になるかもしれません。

症例:耳管開放症

今回の患者さんは、41歳女性。

最初の主訴は「左股関節の痛み、右膝の痛みでした。

20年前から症状があり、最近は状態が悪化し常に痛みが出るようになったそうです。

他にも、左右の足首の痛み・腰痛・首肩の痛みとだるさ・右肘の痛み・左右の手首の痛みなど様々な症状があり、

それに加えて、10年前から犬が鳴いたり大きな音がすると左耳がキーンと痛くなるということで、病院では「耳管開放症」と診断されたということでした。

患者さんのお父さんの紹介だったので、事前に既往歴をの紙に書いてきていただいていました。

驚くことに、既往歴はA4の紙がびっしり埋まるほど多く、41歳とは思えないほど多くの怪我や病気・事故・手術を経験されていました。

その中でも特に気になったのは、1歳の時に事故で左足小指切断(左腸骨から骨を移植)、3歳で脱腸による手術でした。

生まれた時は、問題なく普通分娩で生まれたということだったので、この乳幼児の頃の問題がそれ以降の怪我や病気に関連しているかもしれないと思って施術に入りました。

検査を行うと、以下の項目で硬さが出ていました。

  • 骨盤:左が硬い
  • 脊柱:腰部が硬い
  • 膝ROM:右膝内旋時に硬さ
  • 股関節ROM:左が硬い
  • 頚椎:C2,C3が硬い

初回の施術

初回は、主訴の左股関節と右膝に焦点を当てて施術しようと思い、まず左股関節と右膝の関連をTLで調べて、左股関節の方が優位性が高いことが分かりました。

さらに、TLで左股関節から追っていくと、左足小指で反応があり、予想通り1歳の頃の問題が関連していました。

施術はC/Aアジャスター、循環ホットパックを使いアドバンスフローで調整した後、骨盤3段調整。

その後、左足小指の手術痕をココローラーで調整しました。

すると、右膝の痛みがなくなり、左股関節の痛みも減りました。

2回目以降の施術

その1週間後に来店された時は「股関節の痛みは減って、深く眠れるようになった」と仰っていました。

その後も週1ペースで通っていただき、その都度、気になる症状付近のROM異常から、TLで原因となる箇所を探して調整していきました。

最初に複数あった症状も順調に一つ一つ改善していき、6回目の施術の時にはほとんどの症状が改善されていました。

ただ、左耳の異常はまだ残っていました。

7回目の施術

7回目の施術で頭蓋をチェックすると、左の蝶前縫合の動きが悪くなっていました。

実は、4回目の時にも左の頭蓋の動きは悪くなっていて、その時は鱗状縫合が硬く、左手首の調整でそこは動くようにはなっていました。

しかし、その時は施術後に耳元で手を叩くと、「まだキーンとなります」ということで症状自体は改善しませんでした。

7回目の蝶前縫合の硬さは、TLで肩回りなどいろいろ探してもどこにも反応がなかったのですが、上顎骨に触れた時に反応がありました

虫歯や歯の治療かな?と思って細かく場所を調べていると、「あ!そういえば、そのあたりに糸を入れたことがありました!」と患者さんが思い出したように教えてくれました。

詳しくTLで調べて、「左右複数個所で反応がありますね」と患者さんに伝えると

「12年前くらいに糸リフトで両側に3本ずつ糸を入れたんですよね。確かに最近笑うときに表情筋が動かしにくいです…」と患者さんの話と一致。

TLで反応する箇所をココローラーで全て調整すると、「あれ?さっきより目が開きやすい!視界が全然違う!表情筋もスムーズに動くようになりました!」と変化に驚いていました。

そこで、起き上がっていただき、左の耳元で手を叩いてみると、「あれ!?キーンってならない。良くなってます!」と左耳も改善しました。

それ以降、体調が悪い時には多少気になる時はあるみたいですが、以前に比べるとほとんどキーンとならなくなったそうです。

「通う前と体が全然違います。前はあちこち痛みがあるし、全然疲れが取れなかったけど、今は休むとすぐ元気になる」と仰ってくれていました。

まとめ

今回の患者さんは、乳幼児期の問題がベースとなり、2次的、3次的、4次的問題を引き起こして、それら全てが様々な症状に関連していたのではないかと思います。

さらに、整形手術の痕の問題が頭蓋の動きを悪くし、結果的に左耳の異常を作り出していたのではないかと考察しました。

整形手術をされたことがある方は症状との関連をチェックしておくといいかもしれません。

是非、参考にしてみてください。

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疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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