改善しない患者さんがいて、、、一度診もらませんか?

こんにちは。疲労回復整体アカデミー講師の岡村です。

「なかなか改善しない患者さんがいて、、、一度診もらませんか?」

と先日、系列店のスタッフから相談があり、その患者さんの施術を行いました。

目次

3ヶ月経っても改善しない臀部の痛み

患者さんは、39歳女性、保育士をされている方で、元々は腰痛や肩こりが主訴だったそうです。

系列店に通い始めて約4年。

途中通ってない時期もありましたが、だいたい週1ペースで通われていました。

通い始めてからは腰痛は出なくなったそうですが、

疲れてくると首や肩のこりや酷くなって、全身満身創痍の状態になるそうです。

3ヶ月前に仕事中子供を抱えた時にお尻あたりがブチッとなった感じがあり、

そこから股関節~臀部周辺に強い痛みが出るようになり、

なかなか良くならず、病院に行くと「腰椎4,5椎間板ヘルニアがあるからそれが原因かも」と診断されたとのこと。

荷重時や寝てる時にもその痛みがあり、

最初よりは減ったものの3ヶ月経ってもなかなか治らないということでした。

改善しない原因

知り合いの先生の紹介で患者さんを施術する時は、次の2パターンがあります。

  • 原因箇所が見つけられてなくて、なかなか治ってないパターン
  • 患者さんの回復力が極端に低くて、なかなか治ってないパターン

ある程度技術力のある先生に紹介された場合は、だいたいの患者さんが後者です。

そういった患者さんを施術する場合は、

施術をしても回復力が上がってこない背景を探っていかなければいけません。

要するに、生活のヒアリングをして、何が体に負担をかけているのかを探っていく必要があります。

今回の患者さんも事前に「食生活が良くない」という話を聞いていました。

施術をする前から「回復力が極端に低い場合は、段階的に回復力を上げていかないとなかなか治っていかないことが多い」

「そのような場合は、生活自体を変えていかないと難しいから、体を見ていきながらアドバイスさせていただきます」

と前もって患者さんに説明しました。

施術の流れ

検査

まず、検査をすると、全身が過緊張しているような状態で、特に僧帽筋から背中にかけてガチガチになっていました。

首を動かしてもらっても全然上を向けない状態でした。

肩を動かしても「痛い・・・」ということでかなり酷い状態でした。

主訴付近のROM検査を行うと、左股関節の過可動性確認。

過可動性になっていると、その関節周辺の筋力検査では筋力低下が起きます。

実際、股関節屈曲の筋力検査をすると、「左足は全然力が入りません・・・」と患者さんも実感していました。

本来関節は一定の遊び(ゆとり)があり、関節にかかる負荷をそれが逃がしてダメージを負いにくくしています。

「過可動性」の状態とは、遊び(ゆとり)がありすぎる状態で、関節が不安定な状態と言えます。

このケースは、関節自体に問題があるというよりは、他に問題がある(硬さがある)箇所が存在していて

全体でバランスを取るために、そこが緩んで過可動性の状態になっています。

つまり、他に問題がある(硬さがある)箇所が改善されれば、自動的に過可動性は解除され関節が安定します。

今回もTL(関連を調べる検査法)で関連がある箇所を探すと、左手首で反応がありました。

全体を調整しても残ってくるようなら左手首を調整しようと思いました。

調整

施術は整体器具で全体のゆがみを調整し、ダイヤルテクニックで胸骨-仙骨を調整。

再検査すると、肩周りや全身の緊張は少し緩んでいましたが、左股関節の過可動性は変わらず。

次に手足に残る問題をツイストストレッチで調整。

再検査すると、肩周りや全身の緊張はさらに緩みましたが、左股関節の過可動性は以前変わらず。

そこで、左手首をツイストストレッチで調整しました。

すると、左股関節の過可動性は解除され、筋力検査をすると左股関節屈曲で力が入るようになりました。

「え!すごい!力全然入ります!」と患者さんも変化を実感されていました。

患者さんへのアドバイス

◯ 3ヶ月前にブチッという感じがあったということは、おしり付近の何らかの組織が切れて傷ついたということです。

本来は、自然と治っていくものですが、3ヶ月も治らないということは、周辺の環境が悪くなっていて治りにくい条件になっているということです

◯ 今回は実際に左股関節が不安定な状態でした。

◯ 不安定な状態ということは、傷ついた箇所に負荷がかかりやすいということです。かさぶたを毎日剥がしているようなものです。

◯ おそらくはそのせいで、3ヶ月も治らないのが続いたと思います。

◯ ただ、それだけでなく、体全体の回復力が落ちてしまっていることが一番の原因です。

◯ 回復力が高ければ、左手首の問題も自分で治せていたかもしれません。

◯ だから、左股関節は安定したので治りやすい環境にはなりましたが、全体の回復力が低すぎると、まだ治っていくかどうかは分かりません。

◯ この機会に食生活を見直すと良いと思います。食べ物が今の体を作っているので食べ物を変えたら体は確実に変わります。

と患者さんに説明して食事のアドバイスをいろいろお伝えしました。

全体の回復力を考える

本来治るはずのものが長期間治ってないということは、必ず原因があります。

今回のように過可動性のケースも意外と多かったりしますが、

その原因箇所は全く違う場所だったりします。

ただし、まず第一に考えなければいけないのは「全体の回復力は下がってないのか?」ということです。

全体の回復力が極端に低い場合は、ハッキリ言って施術で何をやってもダメです。

中長期的にプランニングして、患者さんと一緒に生活の見直しもしながら

体の変化を毎週チェックしていかなければいけません。

是非参考にしてみてください。

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疲労回復整体アカデミー講師の目線で、臨床事例やプロの整体師の先生に役立つ情報を発信していきます。

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